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2007年6月号 株式会社クレアン代表取締役 薗田綾子さん

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taidan2007-06.jpg クレアンの薗田さんは、書籍ファミリーシリーズ『地球は今…』の企画制作を通して、高木代表とは14年来のおつきあい。持続可能な未来をめざして、企業の環境活動を推進する「クレアン」、短冊に未来を描くプロジェクト「言の葉さらさら2025」、マイ箸を持ち歩く人のネットワーク「マイ箸クラブ」など、数々のアイデアを実現している女性です。

『地球は今…』を多くの人に


高木 1月20日の東京でのジョイントワンデイセミナーで、司会を務めていただきありがとうございました。

薗田 こちらこそ、楽しかったです。ありがとうございました。

高木 まずは薗田さんが、環境関係の仕事や活動をするようになった経緯を教えていただけませんか。

薗田 学生時代にマスコミ関係、テレビ局やラジオ局、雑誌の仕事をしたことがあって、マスコミの影響力の大きさや重要性を感じていました。そこで、最初の就職先は広告代理店を選びました。次に、もっとチャレンジできる仕事ということで、リクルートに転職。リクルートでは、仕事の優先順位のつけ方や行動計画の立て方、明確にゴールを決めて具体的にアクションを起こす方法などを学びました。その仕事のやり方は、今でも大変役立っています。リクルートの仕事は非常にやりがいがあったのですが、若さに任せてがんばり過ぎて、ストレスと過労で、突発性急性難聴炎になってしまいました。絶えず耳鳴りがしている状態で、まっすぐ歩くこともできないくらいフラフラで入院しました。

高木 それは大変でしたね。

薗田 ちょうどその頃、大学時代の友人が結婚してオーストラリアに住むことになったんです。その友人に「休暇をとって遊びに来たら」と誘われて、ホームステイさせてもらうことにしました。自然とうまく共生している片田舎で、のんびりしました。耳鳴りがひどくて、本を読むか考えごとをするかしかなかったため、自分の人生とは何なのか、本当は何がしたいのかをじっくり考え続ける良い機会に恵まれました。

高木 私が、交通事故で1年間寝たきりで、考えていたことと同じだね。忙しい人には、そういう時期が大切だね。

薗田 そこで「本当の豊かさって何なのかな、と。そしてその豊かさを実現するライフワークを見つけて、バランスが取れた生活をしよう」と心に決めました。帰国してから、私と同じように自己実現を考えている人もいるはずだと考え、その人たちと一緒に能力を発揮できる場を作ろうと、女性を中心にクレアンを立ち上げました。

高木 クレアンってどういう意味ですか。

薗田 フランス語から作った造語なんです。「クリエイティブな起業家」という意味です。 1988年に会社を興してからは、雑誌の編集や女性誌の創刊のお手伝い、女性向け商品のマーケティングなどを、定期的な仕事として請けていました。そして 1993年に高木さんに出会ったんです。

高木 14年も前なんですね。

薗田 高木さんの講演を聴いて、「私が探し求めていたテーマはこれだ」と感じたんです。環境とか豊かさとか幸せについて、私が気付いたことを、できるだけ多くの人に伝えたいと思って、高木さんの地球環境ファミリーシリーズ『地球は今…』の出版企画を思いつきました。

高木 あれはイラスト入りで、いまも人気のシリーズです。

薗田 あの頃、高木さんは環境のテーマ別シリーズ講演をされていましたので、それをひとつずつイラスト入りでわかりやすくと思って、10冊のシリーズ本という企画になったんです。その頃からクレアンも、環境のインターネットマガジン「エコロジーシンフォニー」を始めたり、大手企業の環境報告書の作成を始めたり、あるべき方向性が定まりました。

高木 私との出会いから、仕事の流れが変わったのですか。

薗田 はい。高木さんと出会い、『地球は今…』の編集制作を通して、「人間は何のために生きているのか、幸せになるために生まれてきたのに違う方向へ行っているのはなぜか、環境と経済のルールは違うのでは?」など、いろんなことに気付き始めて、このことを多くの人に知ってもらうことが私のライフワークだと考えるようになりました。

高木 あなたの仕事や活動は、私から見ても、地球から見ても、すばらしいと思います。

薗田 本当ですか。まだまだ一歩ずつですけれど、そう言っていただけると、とてもうれしいです。

企業の環境活動を後押ししてください


高木 では、薗田さんが進めているGRI(グローバル・レポーティング・イニシアチブ)について教えていただけますか。

薗田 現在、GRIというガイドラインを企業に普及する活動もボランティアでしています。「企業は、サステナブル(持続可能)な社会のために、環境や社会性を経済と同じくらいの比重で配慮しなければならない」という考え方を、企業に推進しているのです。これは企業に「経済活動そのものを変えること」を要求するのではなく、「ガイドラインに沿って環境や社会性に配慮した企業活動をしていることを情報開示してください」という方法なんです。きちんとガイドラインの項目を認識して活動していないと、情報開示はできないですよね。つまり、情報開示を促進することは、企業の活動をサステナブルな社会に向けたものに変えられるというわけです。

高木 クレアンは、その情報開示のツールとしての環境報告書を制作しているというわけですね。すばらしい取り組みだと思います。一般の方がそういった企業の報告書を目にする機会は少ないのではありませんか。

薗田 お願いしたいのはそこなんです。環境報告書は、インターネット上で公開されていたり、申し込むと送ってもらえたりして、実は一般に広く開示されているものなんです。ですからレポートを読んで、頑張っていることは褒めてほしいし、今後取り組んでほしいことにはどんどん意見を言っていただきたいんです。その声が刺激となって、環境面でも配慮するように変わってきた企業はたくさんあります。クレアンの関連会社では、「エコほっとライン」というホームページがあって、そこでは400社以上の企業の環境報告書が検索できるようになっています。『地球村』会員のみなさんも、ぜひご覧になって、企業に声を届けてください。

高木 なるほど。意見を出すことで企業は変わるのですね。せっかくの環境報告書を有効に活用したいですね。

薗田 みなさん、ぜひよろしくお願いします。

未来ビジョンが、行動選択を変えます


高木 薗田さんは、「マイ箸クラブ」や「言の葉さらさら」など、おもしろいアイデアを実現されていますね。その辺りをお話しいただけますか。

薗田 「マイ箸クラブ」も、高木さんの提唱がきっかけでした。マイ箸を使う人たちのネットワークとして立ち上げたホームページです。そこではいろいろな方が、マイ箸宣言をされています。登録は900名くらいですが、新聞社やテレビ局の方が取材に来られたり、マイ箸特典を導入しようと考えている飲食店の方から問い合わせがあったり、話題になってきました。最近では、マイ箸が「かっこいいね」というライフスタイルに変わりつつあります。

高木 うれしいですね。使い捨てより断然かっこいいんですよ。

薗田 「言の葉さらさら2025」は、2年前スマトラ地震が起きたあと、思いつきました。環境面でいくら世の中をよくしようと努力していても、地震や津波など自然災害が起きれば多くの方が亡くなるわけで、大きなショックを受けたんです。そして、周囲を見渡してみたら、自殺やいじめ、犯罪の増加、社会状況も不安だらけ…。そんな状況に絶望を感じた瞬間もあったのですが、それでもやはり、未来にはもっと夢を持たなくてはいけないなと思い直して、みんなが夢を持てる仕掛けはないだろうかと考えました。やり方としては、日本人なら誰でも一度は経験がある「七夕の日に、短冊に願いを書く」という簡単なスタイルを取り入れました。2025年には、どんな社会になっていて欲しいのか、どんな暮らしをしていたいかなどをホームページで書いてもらうという方法で、これまでに1万2000枚の願いごとが集まりました。みなさんの願いごとを読むと、やっぱり自分の幸せだけではなくみんなの幸せを望んでいるんだなあと、温かい気持ちになれるものが多かったですね。

高木 今年も「言の葉さらさら2025」を開催の予定ですか?

薗田 今年は、携帯電話からもメッセージが送れるようになりました。アースデイからスタートし、9月末ごろまでたくさんの願いごとを集めて、「こんな日本にしたい」というみなさんの思いを、企業や省庁など各方面に届けたいと思っています。理想の未来をイメージして強烈に願うと、未来の記憶が脳にインプットされて、その記憶に基づいた行動が選択できるようになるそうです。みなさんもすばらしい未来をどんどんイメージして、短冊に宣言してみてください。

高木 イメージを持っていれば行動が変わる。多くの人が、幸せで安心・安全な未来ビジョンを自分のものにしてほしいものです。ところで未来のイメージといえば、ステキな本を出されましたね。薗田さんの人柄がよく出た、女性らしい温かい本ですね。

薗田 ありがとうございます。「未来をスケッチ Vision2020」というタイトルで、2020年というのは、視力の2.0、2.0にも掛けていて、未来をよく見渡せるという意味でネーミングしました。延べ120名の方に集まっていただいて、3年間かけて、2020年はこんな社会にしたいと議論してきた内容から作りました。これからは、政治家も、企業人も、親も子どもも、みんなが責任を持って自分たちの未来ビジョンを描いていくことが大切だと思います。白紙のページには、自分自身の未来設計図を書き込んでもらうようになっています。

高木 薗田さんは、環境報告書も、マイ箸クラブも、言の葉さらさらも、この本も、アイデアが良いし、仕掛けがお上手です。その仕掛けを使って、これからも持続可能な未来の呼びかけを、企業や社会にうまく反映できる仕組みづくりをお願いしますね。

薗田 ありがとうございます。それが私の役割だと思いますのでがんばります。また、『地球村』会員のみなさんも「言の葉さらさら2025」へメッセージをお寄せください。それが、きっと未来を創ることにつながると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします!

■クレアン ・・・http://www.cre-en.jp/

■エコほっとライン ・・・http://www.ecohotline.com/

■マイ箸クラブ ・・・http://mother-earth.jp/myhashi/

■言の葉さらさら2025 ・・・http://www.kotosara2025.jp/
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