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5分でわかるオゾン層破壊

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◆オゾン層が破壊されると?
オゾン層は、成層圏(地上20km以上)に広がった薄い空気の層で、地上の気圧(1気圧)では厚さは3ミリしかありません。
オゾン層には有害紫外線を吸収する重要な作用があり、もしオゾン層が無くなれば陸上の生物は死滅します。
今、人類が作り出したフロンなどのオゾン破壊物質により、オゾン層が破壊され、危機的な状況になっているのです。


◆フロンはどこに使われているの?

フロンは身近なところで使われてきました。
先進国では、オゾン層を破壊する力が最も強い特定フロン(CFC)は1995年末で全廃となり、破壊力の弱い代替フロン(HCFC)も2020年までに全廃の予定です。
一方、途上国では、CFCは2010年までに全廃となり、HCFCも2030年までに全廃の予定ですが、過去に生産されたオゾン破壊物質については回収・破壊の義務がなく、廃棄フロンの処理が課題となっています。
また、特定フロンの先進国への密輸など、新たな問題も生じています。


◆フロンガスの用途

  • 冷蔵庫やエアコン、ジュース自販機などの冷媒
  • 半導体の洗浄剤
  • スプレーのエアロゾル
  • 断熱材(発泡ウレタン等)の発泡剤


◆オゾン層破壊が破壊されると、有害紫外線が増加し...

紫外線BはDNAを損傷し、皮膚ガンや白内障、免疫の低下を引き起こします。
UNEP(国連環境計画)は、「オゾン層破壊が10%進むと皮膚ガンは26%増加する」と警告を出しています。
現在、毎年200~300万人が皮膚ガンになっていて、320万人が紫外線による白内障になっています。

植物の生育不良やプランクトン減少が起きるため、世界規模の食糧危機も予測されています。


◆オゾン層破壊の現状は?

2009年には南極大陸の1.7倍のオゾンホールが発生しました。
1980年代~1990年代、オゾンホールが急激に拡大し、経年変動はありますが、今も拡大傾向にあります。(気象庁、オゾン層観測報告 2010年)

2011年4月には北極で観測史上最大規模のオゾンホールが発生し、最大80%のオゾンが失われました。(国立環境研究所 2011年)

大気中に放出されたフロンガスは、分解されることなく、30年~50年間、対流圏内で存在し続けます。
対流圏からオゾン層のある成層圏へ少しづつ移動し続けるため、今後数十年にわたり、大規模なオゾンホールの生成が続くことになります。


◆国連WHOの警告、先進国の対策

こうした現状を受け、国連WHOは紫外線についての警告を発表しました。(WHOの報告書

国連WHOの警告(2001年)

多くの先進国では、紫外線対策、特にこどもたちを紫外線から守る対策が行われています。

・バーンタイム10ミニッツ!(直射日光を浴びるのは10分以内に)
・直射日光の強い日、子どもを外に出さないように!
・ノーハット、ノープレイ!(帽子を被っていないと遊んではいけません)
・ スリップ………シャツを着なさい
  スロップ………ローションを塗りなさい
  スラップ………帽子を被りなさい
  &ラップ………サングラスをかけなさい
※アメリカでは小学校から紫外線教育を行っています
⇒ 子どもから親へ教育を浸透 (サン・ワイズ・スクール・プログラム

公園の遊戯具のテント> <figcaption class=公園の遊戯具のテント(オーストラリア)

小学校のプールのテント> <figcaption class=小学校のプールのテント(オーストラリア)


紫外線対策と同時に、原因であるフロンに対して厳しい規制も行われています。

  1. 冷蔵庫・エアコンなどは廃棄時にフロン回収を義務付け、フロンを放出すると高額の罰金や罰則。
  2. ノンフロン冷蔵庫が主流。日本のようにジュース自販機を町中で見かけることはありません。


◆遅れる日本のフロン対策の現状

2007年10月、フロン回収破壊法改正は改正され、メーカーはフロンを回収する義務があります。
カーエアコン(2005年からは自動車リサイクル法の対象)の回収率は60%で、残りの40%は、廃車になって解体されるはずが、中古車として海外に出ていってしまう車に含まれています。
行先はロシアやアジアで、現地ではフロンは大気中に放出されています。(ストップ・フロン全国連絡会)

また、建物などの断熱材のフロン回収は対象外で、大気中に大量に放出されています。
一方、家庭用ノンフロン冷蔵庫は普及していますが、業務用はまだ開発段階です。
また、ノンフロン自動販売機はまだ普及しておらず、ノンフロンのエアコンはまだ製品化されていません。


◆日本の紫外線対策はさらに遅れている

日本でも皮膚がんの発生率が10年間で数倍に急増しており、欧米並みの対策が必要です。
しかし、有害紫外線に対する認識がほとんどないため、今でも日光浴や裸ん坊教育を奨励し、紫外線情報を取り上げているマスコミはほんの一部です。
特にこどもたちを有害紫外線にさらすことは非常に危険です。

『地球村』やストップ・フロンなどのNGOの働きかけにより、各地で小学校などにテントを設置したり、紫外線教育をする動きが広がっています。

学校で実施されている紫外線対策


◆できることから始めましょう

一人の市民としてできることはたくさんあります。
子どもたちのためにもできることから始めてみましょう。

  • 冷蔵庫やエアコンは買い替えの時にはフロン回収の手続をし、ノンフロン冷蔵庫を買う
  • 紫外線対策を心がけよう(帽子、長袖、ローション、サングラス)
  • 小学校や公園のプールや遊具などにテントをつけるなど紫外線対策をするよう学校や役所に働きかけよう
  • 紫外線情報(警報や指数)を出すよう新聞社、放送局に意思表示しよう


より詳しく知りたい方は、下記書籍をお読みください。
地球環境ファミリーシリーズ、第1巻『壊れゆくオゾン層』
有害な紫外線から私たちを守っているオゾン層。
どこで生まれ、なぜ失うのか。
オゾン層がなくなるとどうなるのでしょう?
紫外線量は5~6月にピークに達します。
オゾンホールが拡大する今、日本での対策は?
実態と引き起こしている問題、そして破局を避ける方法を考えます。


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