環境情報
水資源の危機
世界の水はたったこれだけ
地球は水の惑星といわれていますが、飲み水として利用できる水はどのくらいあるのでしょうか。実は98%が海水で、淡水は2%、その大部分は南極や北極の氷山などで、私たち陸上生物が利用できる水は全体の0.01%にも満たないのです。地球上の水すべてが風呂桶一杯の水だったとすると、私たちが使える水はわずかに一滴。この一滴の水をすべての陸上生物が分かち合って生きているのです。この水が枯渇したリ汚染されると、すべての生物が絶滅してしまうのです。
水危機の現状
現在、世界の17億人が、水不足の状況で生活しています。不衛生な水しか得られないために毎日6000人(年間200万人以上)のこどもたちが亡くなっています。(国連水資源報告書)
水不足の地域では、干ばつや地下水の減少、湖沼が小さくなるなど、食糧を作るための農業用水や飲み水さえ十分に得られなくなっています。
黄河
中国第2の大河が取水が増えたため1年の半分以上、河口まで水が流れなくなり、流域の人々が飲料水にも困り、工場の操業停止、公衆浴場、公衆便所も使えなくなった。
アラル海
世界第4の湖(びわ湖の100倍)が近代農業(綿の栽培、灌漑農業)のために水量が激減面積は半分、水量は1/3、塩分濃度が上がり、漁獲量がゼロになってしまった干上がった湖底の塩分が風で周囲に飛散し、塩害で農業は壊滅的打撃を受けている。
水不足から食料危機を招く
小麦などの穀物の栽培には大量の水が必要です。 1キログラムの穀物の生産にはその1000倍以上、つまり1トン以上の水が必要です。水不足になることは食料の不足へとつながるのです。
特に人口増加に伴って、食糧を増産する必要が出てきたため、これまで農地としていなかった乾燥地帯で灌漑農業を行われるようになりました。このことによりさらに大量の水が必要となってきました。黄河やアラル海が干上がった原因は、大規模な灌漑農業を行うために上流域で大量の水を河川からくみ出したため引き起こされたのです。
アメリカやインドでは地下水が枯れて農業用水が十分に得られなくなり、農地が減り始めています。世界の食糧生産の4割以上を支えている灌漑農業は、その生産量を維持することが難しくなっています。このままでは大規模な食糧不足は避けられないのです。
水をめぐって国際紛争も
いくつかの国際河川(国境をまたがる河川)では、河川の水量よりも上流での水需要が多くなり、下流で水が枯渇し始めたことによる国家間の紛争さえおきています。こうした地域は今後、人口が増加するにつれてさらに増えると予測されています。
世界の水紛争
- すでに紛争が起きた地域
- リオグランデ川 ( アメリカとメキシコ)
- インダス川 (インドとパキスタン) など
- 今後紛争が予測される地域
- ナイル川( エジプト、エチオピアなど)
- ガンジス川 (インド、ネパールなど)
- チグリス・ユーフラテス川
(トルコ、シリア、イラク)など
水不足の原因は
どうしてこのような水不足がおきているのでしょうか?
私たちの豊かな生活を支えるために水の使用量が急増したことが、最も大きな要因なのです。
特に食糧を増産する為の水消費は50年前に比べて3倍増加しています。
さらに途上国での工業化や生活の物質的な向上によって、水需要全体も50年前の3倍になっています。人口増加の2倍の割合で水消費が増えているのです。

今後の予測
2050年に人口は90億人(現在の1.5倍)になると言われています。食糧生産や途上国の経済発展に伴ってますます水需要が増加します。
さらに温暖化により、世界各地の雨の降り方も大きく変化し、乾燥化が進むところや洪水により、かえって飲み水などの不足する地域も出てくるのです。
国連WMOなどは、 2025年には50億人が飲み水にさえ不足する状況になると予測しています。
世界から水をかき集める日本!
こうした水不足を引き起こしている原因の大部分がアメリカやEU、日本などの先進国の大量消費 です。(下グラフ)
さらに大きな問題として、輸入に頼っている日本は、その生産に必要な水を間接的に消費していることになります。(これを仮想水と呼ぶ)
日本が輸入している大豆や小麦には100億トン以上、牛肉には200億トンの水が海外で使われているのです。
日本の輸入品(農産物や工業製品)のために使われた仮想水は全部で約 700億トンになり、日本の水の消費量全体(890億トン)に匹敵する量の水を海外で消費しているのです。
例えば、輸入された米、輸入された牛肉で作られた牛丼を一杯食べるということは、数トンの海外で使われた水を使っていることになるのです。
日本は、ふつうの生活をしているだけで、想像以上に途上国や海外の人たちの生活に影響を及ぼしているのです。

できることからはじめよう
人間の体重の6割は水です。この水がなくなっても、汚染されても生きていけません。
水が豊富な日本では、昔から「水に流して」きました。昔は自然が浄化できる範囲でしたが、大量生産・大量消費・大量廃棄のなった今、それは不可能なのです。すべてを見直すことが必要です。

