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沖縄と在日米軍基地

2016年08月31日


普天間基地の辺野古移設、高江ヘリパッド建設の反対運動が報じられています。
そこには沖縄の悲劇、長い歴史があります。その問題をまとめました。

(落合眞弓)


●沖縄戦(日本唯一の本土決戦)

★1945年4月1日に連合軍(55万人)が沖縄本島に来襲、日本軍は11万人で応戦。
★日本軍は本土防衛の盾として住民を動員し、3ヶ月に及ぶ持久戦を展開した。
★死者は、日本人18.7万人(軍人が9.3万人、住民が9.4万人)、連合軍1.3万人で、
 沖縄県民の4人に1人が犠牲になった。
★敗戦後、沖縄は米国の占領下に入った(1972年まで7年間)。
★米軍は、施政権を基に半ば力ずく(銃剣とブルドーザー)で基地や施設を建設した。
↑私有財産没収を禁じたハーグ陸戦条約違反


●沖縄返還

★米軍による犯罪(強盗、暴行、殺人など)が続き、沖縄返還の声が高まる。
★1972年、70年安保延長と引き換えに沖縄返還が実現し(佐藤栄作首相、ニクソン大統領)、日本は総額3億2000万ドルをアメリカ政府に支払った(実際は5億ドル以
 上と言われている)。


●本土復帰後の問題

★基地負担、地位協定(犯罪時、事故時の治外法権)など占領下と変わらず。
★犯罪が続き、1995年、少女暴行事件で県民の怒りが爆発した。
★怒りの決起集会(10万人規模)がきっかけとなり、
   ①基地負担の根本的解決(基地縮小と地位協定の見直し)
   ②普天間基地の返還の合意(SACO合意) が実現した。
   

●SACO合意 (沖縄に関する特別行動委員会)

本来は①基地負担の根本的解決、②基地の縮小と返還であったが、
時間の経過とともに変質し、日本の譲歩によって、
「古くなった施設は手放すかわりに、便利な場所に新しい施設を建設し、
費用は日本が負担する」という方向で進んでいる。
その多くは密約で国民に知らせず、アメリカ側の情報公開で明らかになることが多い。
SACO合意の橋本龍太郎首相は沖縄への思いが強かったが、
以降の首相は戦争体験がなく、沖縄への思い入れがないことも大きな要因だ。


●普天間基地問題(1995年、5~7年以内の返還目標で合意されたが・・・)

その後、日米交渉の結果、辺野古の海を埋め立てて移転する案が浮上。
2010年11月、「日米合意の見直しと基地の県外移設」を公約として当選した
仲井真知事は、2013年12月、県議会にはからず独断で安倍首相と会談し、
「3000億円の支援」と引き換えに辺野古の埋立を承認した。
手続き上にも問題があり、県議会は知事の辞任を求める決議を可決したが
知事は居座った。その後、選挙で仲井真知事は敗れ、
辺野古移転反対を公約に掲げた翁長知事が当選した。
 政府は仲井真知事の承認を根拠に「辺野古埋め立て」をしているが、
現在、翁長知事がそれに抵抗している。


●高江ヘリパッド問題

SACO合意の一環として、沖縄で最大の米軍の北部訓練場の半分を
返却することが決まったが、残った半分にヘリパッドを6つ建設することになった。
その2つはすでに完成、残り4つの建設予定場所が
民家から400メートルという近くであること、オスプレイの発着地であること、
ほとんどが住民に知らされていなかったこと、
その騒音や危険で現実的に生活できないなどを理由に住民が強く反発している。
政府は、住民と話し合おうとせず、強権的にことを進めている。
また、その現状をメディアがほとんど報道していない。


●安倍首相政権の姿勢

★沖縄の民意は完全無視。
★アメリカ側が本土への海兵隊移転を打診したが、これを断った。
★辺野古に移設できなければ普天間基地が固定化すると脅迫。


●現状の問題点

★日米地位協定(治外法権、思いやり予算など)。
★安倍首相は戦争法を可決し、日本を戦争できる国にしようとしている。
★さらに平和憲法(9条)を破棄すれば、自衛隊が国軍となる。
★そうなれば、沖縄はさらに軍事要塞化する。


●これから

★政府は強権的な進め方を改め、翁長知事と話し合うこと。
★日本の平和と安全保障について、国民的討論をすること。
★日米地位協定、SACO合意を見直すこと。

トランプ氏「日本に防衛負担の増額を求める。でなければ米軍を引き上げる」
もしトランプ氏が大統領になれば、安倍首相の路線に大きな疑問を投げかけるだろう。