ホーム>環境情報>環境レポート

遺伝子組み換え食品

2016年10月31日


※この記事は動物実験の写真が含まれています。

今回は、TPP条約にも関連の深い遺伝子組み換え食品について、まとめました。

(落合真弓)

●遺伝子組み換え(GM)とは

※「GM」は"Genetically Modified"(遺伝子組み換えされた)という意味
人間に都合のいい特性のDNAを細胞から取り出し、遺伝子の構成や並び方を変えて別の細胞に組み込むことで、新しい特性をもった生物や植物を作る技術。1980年以降の新技術で、これまでの品種改良とは全く異質で、どんな危険を生み出すか未知である。


●遺伝子組み換え例

★除草剤耐性・・・除草剤をかけても枯れない⇒除草の作業が簡単になる
★殺虫性・・・害虫やウイルスを殺す毒素を持っている⇒殺虫剤や抗菌剤を減らせる
★新たな特徴・・・ビタミンA強化米や花粉症緩和米など
★成長スピード・・・2倍のスピードで成長する鮭⇒生産性が向上する
★その他・・・光る糸をつくるカイコなど


●日本に輸入されている遺伝子組み換え(GM)食品

★現状は、大豆、とうもろこし、じゃがいも、菜種、綿実、てんさい、アルファルファ、パパイヤの8種類だけ
★大豆の輸入状況(2011年度)・・・時給6%、輸入94%
 輸入先:アメリカ64.6%、ブラジル20.0%、カナダ13.8%、その他1.6%
 GM大豆の作付面積:アメリカ94%、ブラジル83%、カナダ79%
 ⇒日本に流通する輸入大豆の約8割がGM!


●日本のGM表示のしくみ

現在、上記8つの農作物とその加工品にGMの表示義務はあるが、次の場合は義務がないので要注意!

★表示義務のない例
*GM飼料で育った家畜の畜産品(肉や牛乳、チーズ)、油、醤油、液糖、水飴、コーンフレークなど
*GM原料が原材料全体に占める比率が3番目以下、重量が5%以下
*意図せぬ混入(5%以下の場合)

規制の厳しいEUでは、基本的に遺伝子組み換え技術を用いている食品はすべて表示の義務があり、表示が免除される偶然の混入率は、0.9%未満と非常に厳しい。


●遺伝子組み換え(GM)食品の問題点

★食品の安全性、健康への懸念
厚生労働省・・・「安全性に問題がない食品以外は市場に流通していない」と答弁
消費者団体・・・「長期に摂取したときの慢性毒性の安全の保証がない」と批判
国際がん研究機関(IARC)は2015年3月、米国モンサント社が開発した除草剤「グリホサート(商品名:ラウンドアップ)」に発がん性の恐れがあると発表した。


◆GMコーンを長期に与えたラットの実験(仏):

evrep1.jpg
腫瘍の発生と高い早死率など有害性を示した。この実験は、外国では大きく報道されて大問題になった。GM推進側が反論をしたが、科学者側は、「GM推進側は科学的根拠なく反論している」として一蹴した。
詳細 ⇒ http://nev0.com/2dQEwjV

◆GM大豆を長期にマウスに与える実験(露):

evrep2.png
GM大豆で育ったマウス(A郡)は発育の悪いものが多く、生後3週間までに半数が死んだ。この実験は、日本の学会で報告された。

★環境問題 生態系の破壊
*GM遺伝子が花粉によって広がれば、その影響ははかり知れない。
*除草剤耐性のスーパー雑草の出現⇒より強力、より危険な除草剤が必要になる。
*他の生物、昆虫、鳥類などへの影響や被害も未知。
*自然の喪失、多様性の喪失、生体系全体への影響も未知。

GMを問題視する市民運動でモンサント社は、EUでのGM作物の栽培をあきらめた。

★社会的な問題
*GMは種子が採取できない。農家は毎回、種子と農薬を買わなければならない。
*GM企業がGM種子の特許により、農業を独占支配する。
*「非GM」農家はGM作物の交雑被害に加え、GM企業から訴訟被害を受けている。

食料生産がごく少数の大企業に握られる。これは、巧みに隠された新植民地策だ。


●TPPの問題点

★TPP協定2章「GMの輸入を回避してはならない、新規承認を促進する」
★TPP協定8章「GMの評価はモンサント等、利害関係者の意見を聞き考慮」
 ⇒日本の現在のGM対策や表示義務は後退し、GM作物が推進される。


●私たちにできること

★有機栽培や自然農を応援する。
★輸入食品は避け、地産地消を推進する。
★遺伝子組み換え食品表示の徹底を政府に要求する。
★TPPに反対する。

次の記事 ≫
死刑制度について