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『東日本大震災』その後の世界

2017年02月28日


『東日本大震災』、あれから 6 年、日本や世界がどう変わったのか。

(落合真弓)

●東日本大震災

 ★2011年3月11日、最大震度 7、マグニチュード 9.0(日本では観測史上最大)
 ★死者・行方不明 18,455 人、震災関連死 3,407 人(福島県が最多で 1,979人)
 ★建築物の全壊・半壊 40 万戸、停電 800 万戸以上、断水 180 万戸以上
 ★避難者数 2011年 3月は 47 万人以上。現在は 12万 7千人

●報道の自由度、下落

 ★原発事故の情報隠しで「世界の報道自由度ランキング」は 11位から 22位にダウン
 ★その後の放射線被害、健康被害も情報隠しが続いている。
 ★安倍政権では政府の情報隠しが露骨になり、さらに 72位にダウン

●復興の現状と問題点

 ★復興予算は使ったが・・・

  • 「集中復興期間」 2016年3月まで5年間 26兆円を計上     
    ⇒無駄な巨大公共事業
  • 「復興・創生期間」 2016年4月から5年間 6.5兆円
  • 東京五輪の影響で人件費、資材費が高騰

 ★巨大防潮堤建設(全長 400km、予算1兆円)

  • 住民が求めていない高い防波堤を作り、生活と景観に大きなダメージ
  • 観光や漁業を生業とする人たちにとっては、死活問題
  • 海と陸を分離することは海岸の生態系や景観を破壊

 ★高台移転、集団移転、宅地造成などに 10兆円

  • 生活の不便など不安や反対が多く、移転を希望する人が急減
  • 現実とかけ離れた計画や過剰な建設費など、見直しが必要

 ★産業・生業の再生に 4兆円

  • 高齢化や過疎化のため、担い手不足が深刻化
  • 農地や農業施設などは順調に再生が進んだが、過剰で過大な事業は、技術や営業面などがついていかず、補助金をもらっても倒産するなど経営難が続いた。

 ★原発事故:除染、放射性廃棄物、汚染水の処理などで莫大な費用、先が見えない。

  • 事故の原因の解明、責任がうやむやのまま
  • いまも放射性物質の放出、汚染水の流出が続く。
  • 廃炉作業中ではあるが、技術面、安全面では先が見えず。
  • 作業中の事故も情報隠しが続き、住民の不信、不満は解消されない。
  • 科学的根拠なしに避難解除が始まったが、住民は帰還できない。

 ★人口流出による過疎、高齢化(被災地域は3人に1人が65歳以上)

  • 岩手県5万人減 宮城県1万4千人減 福島県11万5千人減
  • 被災地域では学校や病院の統廃合など、コミュニティーが弱体化している。
  • 放射線被害、健康被害、生活不安が増加
  • 収入、生きがい、満足感、幸福感が大きく減った。

●意識と生活の変化

 ★7割以上が地震を意識し、半数が避難について準備している。
 ★節電意識が浸透し、省エネの工夫をする人が増加している。
 ★自然エネルギーに高い期待を持ち、太陽光や小水力、風力が増加している。
 ★事故を起こした原発の現状に、大多数が不満や厳しい目を向けている。
 ★大多数が原発に不安を持ち、国民の7割が再稼働に反対している。

●安倍政権の矛盾

★南海トラフ巨大地震や首都直下地震の被害想定が拡大
★民主党政権は国民世論によって「原発ゼロへの道」を決定
★2012年5月~2015年8月の3年以上、原発ゼロが実現
★安倍政権は、この流れを逆転

  • 現在、川内原発1.2号機、伊方原発3号機が再稼働     
    ⇒国民の意見は無視!
     企業第一!
     経済優先!
  • アベノミクス(経済優先)ですべて民意を無視
  • 原発事故の原因も責任も明らかにしていない。
  • 再稼働について、企業は「政府と規制委員会の判断」と言い、政府は「企業と規制委員会の判断」と言い、規制委員会は「政府と企業の判断」と言う。つまり誰にも責任がないと言い合っている。これが日本の原発問題の現状だ。

再稼働について、福井地裁・樋口英明裁判長は「豊かな国土と国民の生活を失うことこそ国富の喪失だ」と運転差止めを命じる判決を出した。
また「新規制基準に適合しても、安全性は確保できない」と再稼働を差し止める仮処分決定を出した。

●脱原発を決めた国

 ★原発事故前にオーストリア、事故を契機にドイツ、イタリア、台湾等が廃止を決定

  • オーストリアは1978年に国民投票で原発廃止を決定。当初、一部に不満や反対もあったが、太陽光や風力、バイオマス等の代替エネルギーの計画も生まれた。
  • ドイツのメルケル首相は、哲学者、社会学者、教会関係者らからなる「倫理委員会」を設置、意見を聞いた。そして、企業や専門家より、市民の意見を尊重し、原発を2022年末までに全廃することを決定した。
  • イタリアは日本の事故直後の2011年6月、原発の是非を問う国民投票を実施。国民投票で9割以上が反対し、政府の原発再開計画を否決した。
  • 台湾は蔡英文政権が、東日本大震災後の反原発の民意を受け「2025年に原発ゼロ」を決め、再生エネルギー事業の促進法案を閣議決定した。(本号P12に掲載)

●私たちにできること

★原発問題や被災者(福島の人たち)に関心を持ち続けること
★原発問題に黙っていないで、「脱原発」と意思表示をしよう。
★防災、減災の準備、心構えを持つこと
★節電、省エネを実行、自然エネルギーを推進しよう。
詳しくは『大震災と原発事故の真相』(260円)をお読みください。
『地球村』の HPでも情報をお知らせしています。