ホーム>環境情報>環境レポート

土地の劣化

2017年09月30日


今、世界各地で森林や農地などの土地の劣化に起因する問題が次々と出てきている。
今回は、私たちの暮らしに直結する土地の劣化について考えてみる。

(落合真弓)

●土地の劣化とは

★何らかの原因で土壌が劣化し、生態系の機能や生産性が低下していくこと
★土地の劣化には、土壌侵食、養分不足、塩類集積、砂漠化、汚染などがある

●劣化の比率

世界の陸地の劣化が進行中(1981年から 2003年の調査では 24%の陸地が劣化)

  • 劣化の内訳:耕地 19%、広葉樹林地 24%、針葉樹林地 19%、牧草地 10%
  • 日本の劣化は 35%(173ヵ国中 38位)

●森林地の劣化の原因と影響

★温暖化、異常気象

  • 高温・乾燥による森林火災
     ・2016年のカナダの森林火災で焼失面積は過去最大に(過去年平均 4倍)
  • 豪雨による樹木、土砂の流出
     ・世界規模で豪雨回数が増加(1980年代に比べ 1.4倍)

★開発による森林の消失

  • 放牧地(牛 1頭につき 1ha必要)のための開墾
  • コーヒーやバナナの大規模プランテーション開発のために皆伐
  • 木材輸出(建築材、紙原料など)のために無秩序な伐採
  • 埋め立てのために山肌の土砂採取
     ・辺野古米軍基地建設の埋め立て用土砂は 2500万㎥を採取予定(東京ドーム 20杯分)税金は 816億円投入

★酸性雨による「松枯れ」
★間伐などの手入れ不足や野生動物による食害など

☆CO2吸収源の減少
☆生物多様性の減少
☆森の恵み、バイオマス資源の減少
☆景観の破壊
☆自然災害の多発
国内でも、2014年 8月、広島市の大規模土砂災害、今年 7月、九州北部の記録的な大雨による土砂災害など、多くの災害を引き起こしている。合わせて、植林、育林、森林保全をおろそかにした日本の森林行政も大きな原因だ。

●農地や牧草地の劣化の原因と影響

★地球温暖化による異常気象(干ばつ、降水量の減少と乾燥化)
★農業用水の不適切な水管理(過灌漑(かんがい)など)
★過度な農業開発・・・「緑の革命(※)」など化学肥料や農薬、除草剤の多使用
★過密放牧

☆砂漠化(影響を受けている土地は日本の面積の 95倍、人口は 10億人)

  • 土地の有用菌が死滅、土地が疲弊 ⇒ 収量の激減
  • 家畜の糞尿処理窒素過多による土地の富栄養化
  • 灌水湿害や塩害
  • 農地に適さない状態になり放棄

☆食料生産の最も基本的な基盤が失われつつあり、収量が減少
※「緑の革命」とは
食料増産のため多収穫の穀類の開発が進められたが、新品種は多量の水や化学肥料、農薬を必要と死、砂漠化や土壌汚染、土地の劣化を招き、かえって問題を大きくした。
先進国では早い時期に気づいて改められたが、途上国ではまだ状況が改善されていない。

●海岸の土地劣化の原因と影響

★地球温暖化による海面上昇
★ダムや護岸工事により土砂の流下量が減少

☆海面水位が上がり海水が耕作地に浸水、耕作不能に

  • 移住を余儀なくされる(このまま進行すると影響は、50ヵ国 10億人に及ぶ)

☆砂浜の消滅、海岸浸食が深刻

●汚染による土地劣化の原因と影響

★原発事故などによる放射能汚染
★米軍基地や工場跡地の化学物質、火薬などによる汚染

☆除染や復元には莫大な税金が投入されるが、真の復元や復興は困難

●日本がすべきこと / 私たちにできること

★開発より自然を生かす

  • 森林の整備、国産材の推進・・・木材を自給自足できるシステム構築
  • 護岸工事やダム推進の政策を見直す
  • 原発をやめ、自然エネルギー推進政策に取り組む

★環境にやさしい生活を!
★グリーンコンシューマになろう!
★コーヒー、バナナ、肉食をやめ、国産品を!

≪ 前の記事
パリ協定とその後
次の記事 ≫
北朝鮮は今