地球村通信2007年7月号 巻頭言

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心の中にもベルリンの壁  (2007年7月)

★国家の壁
昔々、ある国に、ちょっとした垣根ができました。
(それは、子供たちのちょっとしたいたずらだったかもしれません・・・)
人々は、「これは何だろう」と不思議に思いました。垣根の両側で、
人々はお互いに、「自分たちは、こんな壁は作っていない。
きっと向こう側のやつらが作ったのだろう。
きっと敵意を持っているのだろう」と思うようになりました。
その疑いがだんだん大きくなり、もっと高い垣根にしました。
そのうち、「見られるのもいやだから」と塀にしました。
さらに、塀では不安だから壁にしました。さらに、もっと丈夫で頑丈な壁にしました。
それでも不安だから、ついに要塞のような巨大な壁にしました。
巨大な壁を見るたびに、人々は互いに恐怖と憎しみを増大させました。

そして、ついには、その壁の前で抗議の焼身自殺をしたり、
壁越しに爆弾を投げ合ったりしました。その壁がいかに自分たちを苦しめているか、
その壁を作った相手側がいかに悪いか、あちこちで言いふらしました。
そのうわさがまた、お互いの怒りや恐怖を増大させました。
そんなあるとき、子供たちが、いたずらで壁を乗り越えたり、
壁越しにお菓子を投げたり、ターザンごっこをしました。
若者たちがロッククライミングを楽しむようになりました。
壁の上でコンサートをしました。壁の両側の人が楽しむようになりました。
そして、ついに「こんなのいらないね」と言って、みんなが壁を壊しました。

1989年、実際にベルリンの壁は、全世界の人々の目の前で崩壊したのです。
いらないものは崩壊します。みんなの願いは、いつか実現するのです。
あなたの周りにこうした壁はありませんか。
あなたの心の中にこうした壁はありませんか。
壁は、存在を意識すれば意識するほど、存在が大きくなります。
しかし、壁は、存在を気にせず、無い方がいいと意識すれば消えてしまいます。
壁は、本当はないのです。自分の意識が作り出した想念です。

★巨大企業と零細企業、親会社と下請けの間の壁
「巨大企業は、下請けから徹底的に利益を搾り取っているではないか」
「納期に合わせるためにタクシー代、何万円も使ってネジ1本を届けさせられた」
こういう話を聞きますが、本当にそれは仕方が無かったのでしょうか。
それを、「仕方ない」で済ますと、巨大企業と下請けの間の壁は強化されます。

しかし、実はこうしたひどい事例は、親会社の担当者と、
下請けの担当者の力関係や駆け引きで起こるのです。
多くの場合、下請けの判断、譲歩で行われるのです。
「納期に間に合わさないと切られる」という恐怖。
もちろん、それは親会社が日頃、「納期に間に合わないと切る」と言っているのが原因です。

「だったら同じじゃん!」と思われましたか?
いいえ、そうではないのです。解決へのアプローチはここからなのです。

下請けは、親会社の担当者に、
「納期に間に合わすためには、ネジ一本をタクシーで何万円もかけて運ばなければならないのです。
もし、それでもそれが必要ならば、どうぞ費用を負担ください。
でないと、私どもはつぶれてしまいます」と勇気を持って話すことなのです。
それでもだめなら、親会社の担当者の上司に交渉するのです。
それでもだめなら、さらに上司へと。
怖いですか?その恐怖が壁を大きくしているのです。
大丈夫です。親会社のトップは、決してこういう問題を黙殺しません。
そういう勇気、そういう努力が世の中を変えます。

★心の中に多くの壁
今の社会のあらゆるトラブルも、いじめも、環境破壊も、紛争も。
すべて一人ひとりの「ノーを言う勇気」が必要なのです。
そこから変化が始まるのです。
圧倒的多数(サイレントマジョリティ)の勇気が必要なのです。
私は『地球村』を通して、「そこをやっていきましょう、
小さな一歩、小さな勇気を始めましょうよ」と呼びかけているのです。

大河も、最初は小さな一滴、小さな湧き水から。長い道のりも、最初の一歩から。
巨大な森も、最初は小さな木の実の小さな新芽から。
大きな夢も、はじめはちょっとした思いつき、ちょっとしたアイデアから。

美しい誤解  (2007年7月)

私は、講演や本で、「美しい地球、平和な社会、みんなの幸せを実現しましょう。
無理はしないでください。できることをしませんか」と呼びかけています。
この巻頭言でも、同じ思いで、いろいろ書かせていただいています。
ところで、『地球村』って何でしょう。ネットワーク『地球村』って何でしょう。

★『地球村』に入会したら「グリーンコンシューマになれる」 と勘違いしていませんか。
もし、そう思っていたとしたら、それは美しい誤解です。
『地球村』に入会しても、努力しなければ何にもなれません。
事務局からは、グリーンコンシューマに必要な情報をお送りしています。
それを実行することで、グリーンコンシューマになれますし、社会は変わっていくのです。

★『地球村』の会員は、「環境にやさしい生き方をしないといけない」 と勘違いしていませんか。
もしそうなら『地球村』はきびしい、しんどいだろうな。
でも、そうではなくて、「地球にやさしい生活をしませんか。そうすると自分も気持ちいいし、
健康になり、周りも変わっていきますよ。やってみませんか」 と呼びかけているだけです。

★私が、講演や本の中で「トラワレをはずしたら腹は立たない」 と述べているのを、
「トラワレをはずさないといけない」「腹を立ててはいけない」 とお説教していると勘違いしていませんか。
もしそうなら、私はきびしい人、こわい人でしょうね。
そうではなくて、私は、「トラワレをはずすと、腹が立たなくなりますよ。やってみてごらん」 と言っているだけなのです。

いままで勘違いしていませんでしたか。
あなたの周りに、そんな勘違いをしている人がいたら、
「そうじゃないよ。こうしてみない?って言っているだけだよ。
私もやってみたら楽になったよ」と、どうぞ伝えてください。
『地球村』は、「無理したり、苦しんだりしなくていいんだよ」という生き方なのです。
『地球村』とは何か。ぜひ、知っていただきたいと思います。

私は33歳のとき、ひどい交通事故にあいました。
長い寝たきりの生活の中で、悩み、迷い、絶望し、何度も死を決意する中で見つけた私の生き方なのです。
『地球村』は、私自身の「生き方」です。

・人は幸せのために生まれてきた。だから幸せに生きればいい。
・幸せには、自分だけの幸せとみんなの幸せがあり、自分だけの幸せは本当の幸せではない。
・みんなの幸せこそ、本当の幸せ。
・みんなの幸せの中に、自分の幸せがある。
・みんなが幸せでなければ、自分も幸せではない。
・だから、みんなの幸せの実現に、できる限りのことをしたい。

「こんな生き方は素晴らしいけれど、そんなこと無理、できるわけがない」
何度も何度も否定しました。自嘲しました。苦笑いしました。
そして最後に、ついに一生かけて、こういう生き方をやっていこうと決意しました。
その決意とともに、私は寝たきりの状態から回復できました。
回復して以来、この生き方をやってみました。

私が変わりました。家庭は変わりました。家族が幸せになりました。
私が変わりました。職場は変わりました。仲間が幸せになりました。
私が変わりました。合唱団は変わりました。仲間が幸せになりました。
そして、「ああ、なんと幸せな生き方!こんな幸せ、多くの人に伝えたい!」
と思うようになりました。「こんな幸せな生き方、やってみませんか」
そんな思いを抑えきれず、動き出しました。
それが『地球村』なのです。

『地球村』は、「みんなの幸せが本当の幸せ。そんな生き方をしませんか」というものです。
ネットワーク『地球村』は、そういう生き方をめざす人のための協力や応援のネットワークなのです。
無理したり、つらい思いをしない生き方なのです。
美しい地球を残す生き方、悔いのない生き方なのです。

仲間の輪が広がりますように。
還暦(60歳)迎えて、その思いを深くしています。

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