地球村通信2008年6月号 巻頭言

このエントリーをはてなブックマークに追加

【巻頭言】 あなたなら  (2008年6月)

どうすれば、伝わるか、伝えられるだろうか。
以下の4つの質問(例)について、あなたならどう答えるのか考えてみましょう。
それぞれ、答えは【1】と【2】、どちらがいいと思いますか。

★事実を知ってショックを受け、いま混乱しています。
でも、急にすべてやめることはできません。
原始生活に戻るのもいやです。
事実であっても信じたくありません。
どうすればいいですか。

【1】
現実から目をそむけるわけにはいきません。
日本では環境などにあまりに無関心ですが、現実は非常に厳しいのです。
しっかり現実を学ぶこと。

【2】
あなたの気持ち、よくわかります。
私も初めて知ったとき、ショックを受け、混乱しました。
ショックが収まってから、「本当はどうなんだろう」と自分で調べ始めました。
自分で調べていくことで、ショックも受けましたが、事実が確認でき、だんだんと納得できました。
 

★江戸時代や昭和初期にもどらないと、いけないのですか。
私は、江戸時代が理想には思えません。魅力も感じません。

【1】
食料も資源も、やがて輸入できなくなるでしょうから、
早く自給自足を実現しなければなりません。
自給自足社会という意味では、江戸時代や昭和初期に戻る必要があります。
魅力的かどうかという問題ではありません。

【2】
私も以前、江戸時代や昭和初期というと、封建的、不平等、貧しい、
というイメージでしたが、最近は、社会的に見直されるようになったようですね。
例えば『三丁目の夕日』という映画、観られましたか。
物質的には豊かではありませんが、精神的には豊かさを感じました。
江戸時代については、石川英輔さんの本を読むと、環境やリサイクルについて
すばらしい知恵が書かれています。
自給自足の知恵はすばらしいと思います。


★私は旅行が好きです。
車でも飛行機でも、旅行するとCO2が出ますよね。
旅行してはいけないのですか。

【1】
自動車に乗ると徒歩(呼吸)の500倍もの二酸化炭素が出ます。
公共交通にすれば、二酸化炭素は10分の1にできます。
旅行がいけないといっているのではありませんが、
できるだけ環境にいい方法に変えるべきだと思います。

【2】
そうですね。難しい問題ですね。
私も初めて知ったとき、ショックを受け、悩みましたね。
まずは、無理をしないで、できることからやっていけばいいと思います。
私の場合、アイドリングストップしたり、公共交通にシフトしたり、
自転車や徒歩にするようにしました。
運転免許を捨て、自動車をやめるまでに2年くらいかかりました。


★仕事を辞めて自給自足(農業)をし、休みの日は家で過ごし、
電気を使わず早く寝ないといけないのですか。私は、家族に贅沢をさせたいです。
永続可能な社会は、そういうことはすべて否定されるのですか。

【1】
それが理想だと思います。
贅沢をさせたいということですが、贅沢って何ですか。
贅沢なんて、現代社会の悪い習慣(洗脳)ですから改めていきましょう。

【2】
自給自足社会から50年かけて、こういう社会を作ったのですから、
少しずつできることから戻していけばいいのではないでしょうか。
贅沢については、江戸時代にも昭和初期にも、その時代の贅沢はありました。
私の子供のころは、外食はめったにない贅沢でした。

【1】は、相手の気持ちを考えないで、自分の考えをストレートに述べています。
【2】は、相手の気持ちを受け止めて、自分の気持ちや体験を述べています。

地球環境に限らず、自分の意見を述べる際、相手の気持ちを受け止めて、
相手が理解しやすいような配慮が大切ではないでしょうか。

※このような「どうすれば、伝えられるか、伝わるか」について詳しく記した著書、
『新版 オーケストラ指揮法』 『非対立の生き方』 『虹の天使』をお読みください。

【巻頭言】 銀河物語(生命の誕生)  (2008年6月)

宇宙や地球の歴史、生命の誕生と進化は、
「自分とは何か、どこから来たのか」という根源的な問いへの重要なメッセージです。
連載ではありませんが、人間の原点を知るために、時々このシリーズを書こうと思います。

宇宙は、星間物質(星のかけら、スターダスト)に満たされています。
それは遠い過去の無数の太陽の爆発によって作られたものです。
現在の太陽も、あと数十億年で寿命が尽きて星間物質に還るでしょう。
宇宙は、無数の太陽の誕生と死(爆発)の繰り返しなのです。

★太陽の誕生(60億年前)
銀河宇宙の一部で変化(密度の揺らぎ)が起こり、星間物質が集まり、引力を増し、
大きくなっていきました。最大のものは太陽になり、大きなものは惑星になり太陽の周りを回り始めました。
小さなものは衛星になり惑星の周りを回り始めました。

★地球の誕生(46億年前)
地球の表面は、無数の隕石の衝突によって、灼熱のマグマの海(マグマオーシャン)でした。
原始大気は水蒸気、二酸化炭素、窒素などで気圧は50気圧以上、温室効果によって非常に高温でした。隕石の衝突が収まると、気温が下がりはじめ、大気中の水蒸気が豪雨として降り続きました。
海ができたのは地球誕生から5億年ごろでした。

★生命の誕生(38億年前)
太古の海は、大気中の二酸化炭素、メタン、アンモニア、硫化水素、亜硫酸ガス、
塩素、高濃度のミネラルが溶けていました。
海底ではマグマの噴出などの長時間の化学反応によって、アミノ酸、核酸、
たんぱく質が作られていきました。
その中から、自己複製の能力を持つたんぱく質(ウイルス、バクテリア、
細菌などの単細胞生命)が現れました。
ウイルスは細胞を持たず、他の生物の細胞を利用して自己増殖を行いますが、
生物と非生物の性質を持ち、いまも生物か非生物か確定していません。
バクテリアは細胞を持ち、自己の能力で自己増殖を行います。
細菌はそれらを含めた広い定義であり、地球のもっとも古い原始生物です。

★二酸化炭素を利用する生物の誕生(30億年前)
大気中のさまざまなガス(二酸化炭素、メタン、アンモニアなど)が海中に溶けることで、
温室効果が減少して、気温が下がり始めます。同時に、大気の濃度が減少して空が晴れ、
光が海中にも届くようになりました。
海中で、光合成で二酸化炭素を吸収して酸素を放出するシアノバクテリアが出現。
炭素はカルシウムと結合して石灰として海底に沈殿しました。
世界中の膨大な石灰層はこうして作られました。
二酸化炭素が減ることで、さらに温室効果が下がります。
放出された酸素は、海中の鉄イオンと結合して鉄鋼床を作りました。
現在、人類が採掘しているのは、こうして作られた鉄鉱床です。
海中の鉄イオンが無くなると、酸素濃度が上昇し、大気にも酸素が放出されました。
酸素は酸化作用で生物を分解する(殺す)危険な物質ですから、
生物は身を守るために、細胞膜を発達させ、遺伝子を核膜で保護しました(真核生物)。

★酸素を利用する生物が出現(20億年前)
二酸化炭素を利用して生きる生命とは別に、海中の酸素を利用して生きる生命が出現しました。
酸素をエネルギー源とすることでエネルギー効率が飛躍的にアップ(20倍)しました。
その一つがミトコンドリアと呼ばれる生命体です。
多くの真核生物は、ミトコンドリアを細胞内に取り込むことで、酸素を利用することができるようになり、
多くの酸素呼吸型の生物が誕生しました。

★多細胞生命が出現(10億年前)
単細胞生命(真核生物)は、自分のDNAを残すために、互いに相手を細胞内に取り込むことで、
相手の強みを取り込み、多様な能力を身に着けていきました。
そして、ついに単細胞から多細胞へ大飛躍を遂げました。
体内にさまざまな器官を持ち、さまざまな機能を持つことが可能になりました。
生存のために、さまざまなチャレンジが始まりました。

★生物は爆発的に増加(古生代カンブリア紀 5億年前)
地球の歴史で、生物が爆発的に進化し、分化し、増加した時代。
多くの試行錯誤が行われ、不思議な生物がたくさん現れました(バージェス動物群)。
植物(海草)が出現。クラゲや三葉虫、アンモナイト、魚類が現れました。
海の中は、さまざまな生物が往来し、まさに生物の宝庫の状態になりました。
これは、オゾン層が作られ、生物が上陸する1億年前でした。

※この話に興味を持った方は、『選択可能な未来』、『生きる意味』をお読みください。

2011年6月

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30