地球村通信2008年7月号 巻頭言

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【巻頭言】 洞爺湖サミット  (2008年7月)

★洞爺湖サミットとは
先進国首脳会議G8は、今年、日本が議長国となり「洞爺湖サミット」を主催することになりました。
今回の主要テーマは「地球温暖化防止」。
京都議定書以降、2012年以降どうするかを決めます。

★基本的な理解
現状は、二酸化炭素の排出量は、全世界で 266億トン。
先進国8カ国(9億人)は 117億トン、一人平均 13トン。
中国、インドなど途上国180カ国(57億人)は149億トン、一人平均 2.6トン。
今後、先進国の人口は増えませんが、途上国は57億人⇒83億人(2050年)

★予測
仮に、途上国の人たちが先進国並みの生活をするようになると
 13トン×92億人=1196億トン(現状266億トンの4.5倍)
異常気象、海面上昇、食糧危機、世界の破局(最悪のシナリオ)
仮に、途上国の人が、今のままの生活レベルに留まったとしても
 13トン×9億人+2.6トン×83億人=333臆トン(25%増加)
世界全体で、現状より25%増加することは、きわめて危険です。

★長期目標
昨年ドイツで開催されたG8では、「2050年までに半減」を目指すことを決めました。
現状の266億トン(先進国117億トン、途上国149億トン)を半減するということは、
133億トンとなり、現状の途上国の149億トンだけでも、すでにオーバーしています。
しかし、途上国は人口増加しますから、現状の生活レベルのままでも216億トン。
先進国の117億トンを無視しても、目標の133億トンを軽く超えてしまいます。
133億トンを実現するには、先進国は90%削減、途上国は50%削減が必要です。

★福田ビジョン
福田総理は6月9日、「低炭素社会・日本をめざして」というスピーチをしました。
【1】 2050年までに世界全体で50%削減をめざさなければならない
【2】 2050年までに日本は60~80%削減しなければならない
【3】 EUの中期目標「2020年までに20%削減」は、現状からは14%削減を意味するもので、日本も2020年までに現状から14%削減は可能

以上、日本として【1】【2】は、かなり積極的な発言だと思います。
しかし、【3】には国際的な反発がありました。
ドイツのボンで開催されている温暖化防止会議では、
温暖化防止を妨害する国に与えられる「化石賞」が与えられました。
なぜなら、日本は京都議定書の削減目標6%ですが、
現状は6%増加したので、2012年までに12%を削減しなければならないのです。
「日本は2020年までに現状から14%削減は可能」は、90年比で8%にしかなりません。
「これは論理(数字)のすり替えである」とのきびしい指摘がなされました。
さらに福田ビジョンの問題点は、日本として具体的な削減策、中期目標が無いことです。
その点については、国内メディアからも厳しい批判が出ています。

★大きな問題点、排出権の取引
たとえば、日本政府は、景気後退でCO2が削減したハンガリーから、
200億円で1000万トンの排出権を買いました。
これはどういうことか、具体例で説明します。
たとえば、自動車1台は1年間に3トンのCO2を出すので、
1000万トンの削減は自動車333万台にあたります。
自動車1台200万円とすると、333万台は6.7兆円相当。
1000万トンを削減するには6.7兆円の販売をやめなければなりませんが、
排出権取引なら200億円で済みます。
なんと6.7兆円の0.3%で済むのです。

★真に必要なこと
すでにドイツなど環境先進国は、次のような政策を実行しています。
【1】
 二酸化炭素を発生するものに環境税。その税金で自然エネルギーを推進
 ドイツはガソリンに高額の環境税を課税し、その税収で市民の風力発電などを通常価
 格の3倍で買い上げ、自然エネルギーを50%にしてCO2半減をめざす。

【2】
 家やビルの熱効率を上げる断熱工事の費用を半額補助

【3】
 自動車から公共交通にシフト
 街中には自動車の乗り入れ禁止。駐車場の廃止。自動車道路を作らない。
 公共交通を非常に便利にし、低価格(または無料)にする。

★道路財源60兆円
日本は道路財源60兆円で、まだ自動車道路を作ろうという動きがありますが、
これは温暖化防止に逆行。この60兆円は、上記の【1】【2】【3】に使うべきです。
福田総理は、「道路財源60兆円はすべて環境に回す!」くらいの英断が必要です。

【巻頭言】 エルトゥールル号事件  (2008年7月)

★イラン・イラク戦争の秘話
1985年3月17日、「いまから48時間以降、イラン上空を飛ぶ航空機は無差別に攻撃する」
とフセイン大統領が宣言。
日本政府の判断の遅れから、日本人の脱出が困難となりました。
在イラン日本大使館は、必死で各国と交渉したものの、どの国も自国民の救出に手一杯で、
応じてくれる国はありませんでした。
200名以上の日本人は空港で危機に瀕していました。
その時、トルコの民間機2機が空港に飛来、間一髪で日本人全員を救出し、
日本まで無事送り届けてくれました。
事情は誰にもわからなかったのですが、のちに駐日トルコ大使は次のように語りました。

「エルトゥールル号遭難の時、日本人がしてくれたことを私たちは忘れていません。
トルコでは子どもたちでさえ、エルトゥールル号のことを知っています。
だから、イラクで困っている日本人を助けようとトルコ航空機が飛んだのです」

トルコ政府は、日本人が脱出できずに困っていることを知り、
自国民救出のためにチャーターした最後の民間機を、日本人救出に振り向けたのでした。
その結果、トルコ人500名は陸路でイランを脱出しました。

★エルトゥールル号事件とは
1890年(明治23年)9月15日夜、トルコの軍艦エルトゥールル号は和歌山沖で台風に遭い沈没。
650名が海に投げ出され、69名が大島村(串本町)に助けを求めました。
住民たちは総出で生存者の介抱に当たりました。
住民は、衣類や食料を提供しましたが、たちまち底をつきました。
非常用のニワトリすら供出するなど、献身的に生存者たちの回復に努めました。
島を挙げての捜索で219名の遺体を収容。
遺体は遭難場所を見下ろす丘に手厚く葬られました。
政府を上げて遭難者に対する支援が行われ、生存者は日本海軍によって、
翌1891年1月2日にトルコのイスタンブルに送り届けられました。
このことはトルコ(オスマン帝国)国内に大きな衝撃を与え、いまでも広く知られるようになっています。

その後、和歌山には、立派な慰霊碑が建設され、毎年、エルトゥールル号慰霊祭が行われていて、
今年の6月7日の追悼式典には、来日中のトルコ大統領も出席しました。

★人を動かすのは感動
この話を知ったとき、私は大いに感動しました。
人が困っているとき、手を差し伸べる。
その当たり前のことが、どれだけ人々を感動させることか。そ
して、95年という長い時間を越えて、また多くの人を救い、また多くの人を感動させたのです。

★アフガニスタン支援
アフガニスタンは、「風の谷のナウシカ」のモデルとなったくらい長い間、平和な国でした。
それが急に、2001年「9.11事件」の報復として、
正当な理由もないままアメリカに一方的に爆撃されました。
『地球村』は、海外支援の経験はなかったのですが、この不条理に決断しました。
人命の危険もありましたが「できることをやろう!」と二人(のちに三人)のスタッフを派遣しました。
言葉の違い、文化の違いなど大変な苦労をしました。
第一次支援は、調査と緊急支援(食料、水、栄養剤、医薬品)が中心でした。
第二次支援は、生活水の支援(井戸の掘削)。第三次支援は学校建設でした。

★もっとも大切なこと
・信頼関係は、上下関係ではなく対等な友人関係であること
・言葉で伝わるのは7%、残り93%は生き様が伝わる
・笑顔、笑声、笑心であること
・明るく、ポジティブであること
・こういう人でないと成功も危ないし、生命も危ない

★パートナーシップ
『地球村』は現在、現地にスタッフを派遣しての支援活動はしていません。
『地球村』の活動のメインは、事実を伝え、グリーンコンシューマを増やし、
社会を変えていくことだからです。
海外に派遣する人材や活動の余裕がありません。
『地球村』は、下記の信頼できるパートナーとの協働や資金支援をしています。

☆AMDA (医療を中心とした緊急支援と自立支援)
☆セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン (子供たちの救済と自立支援)
☆テラ・ルネッサンス (子供たちの救済と自立支援、地雷除去や地雷被害者支援)
☆UNHCR・国連難民高等弁務官事務所 (難民支援、難民問題の解決)

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