地球村通信2008年9月号 巻頭言

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【巻頭言】 日本の農業の危機  (2008年9月)

日本の農業の危機につながる二つの問題をお知らせします。

★BL米(Blast Resistance Lines)
米の病気である「いもち病」に抵抗性を持つように改良されたコシヒカリのことです。
何が問題かというと、BL米は従来のコシヒカリとは別品種で、「味もコシヒカリより落ちる」
という意見もありますが、販売されるときは「新潟県産のコシヒカリ」と表示されるため、
一般消費者には区別できないことです。
なぜ、そんなことをするのかというと、新潟産(特に魚沼産)のコシヒカリは人気ですから、
他県産のコシヒカリを「新潟産」と産地偽装されると、同じコシヒカリ(DNAが同じ)だから
区別できません。ところがBL米のDNAは従来のコシヒカリと異なるので、
他県産のコシヒカリの産地偽装を見破ることができます。
しかし、従来のコシヒカリとDNAの異なるものを、「新潟県産コシヒカリ」と表示することは、
別の意味での偽装ではないでしょうか。

さらに、BL米は、毎年少しずつDNAを変えることができます。
そのため、仮に他県が今年の「新潟BL米」の種を入手しても、新潟が来年の「新潟BL米」
のDNAを変えれば、DNA鑑定により「これは今年の新潟産コシヒカリではない」
とすることができます。しかし、このことで、農家は毎年、農協から「今年のBL米の種籾」を
買わなければならなくなります。
でないと「新潟県産コシヒカリ」と認定されなくなる可能性があるからです。
これは、「種籾を残して来年に蒔く」という従来の農業の基本が否定されることになります。

すでに2005年から、「新潟県産コシヒカリ」の大部分は「BL米」になり、そ
れが「新潟産コシヒカリ」として販売されているのです。
そして、このBL米の問題は、もっと重大な問題の始まりなのです。

★農作物の種苗にも企業の知的財産権
従来、農家は種苗を購入して、自家栽培(自家増殖)することは自由でした。
つまり、農家の自家栽培の自由は、育成者権利を上回っていました。
ところが、企業が、種苗の知的財産権(独占権)を主張し始めたのです。
2007年農林水産省は、企業の権利を認める方向に大きく舵を切り、まず83種類の農

作物の種子採取を禁止しました。さらに、禁止品種を年々増やし、近い将来には、
購入した種苗について、種子採取は原則禁止の方針が明確になってきました。
「違反者には3年以下の懲役、300万円以下の罰金。法人には1億円の罰金」
  (参考 http://www.hinsyu.maff.go.jp/hourei060801/060801.html
このことはすでに世界的な広がりがあり、次のような事件も起きています。
1998年カナダの農民が、巨大企業(モンサント社)から告訴され、
本人は身に覚えが無いのに「DNA鑑定」によって、
その企業のGM(遺伝子組み換え)作物を栽培しているとして有罪となりました。

この問題の危険性は、
1.企業が農業を支配し、小規模農家に壊滅的な打撃を与える
2.GM作物は、有害性、他の植物との交雑など、多くの問題がある
3.最大の問題は、環境の変化に弱く、大規模な不作、食糧危機を招く

この危険な流れを防ぐには、
1.GM作物(遺伝子組み換え)、BL米を買わない
2.「コシヒカリ」を買う場合、「BL米」でないことを確認する(難しい)
3.農作物は、有機もの(無農薬)を買う
4.季節もの、路地もの(ハウスものではないもの)を買う
5.多くの人に、この事実を知らせる
6.農水省に対し、反対の意志表示をする
さらに、おすすめしたいのは、
7.家庭菜園を始める
8.有機農家とつながり、農作業に参加する
9.安全な食(食育)に関心を持つ

日本は、食糧自給率が、主要国として世界でもっとも低いのです。戦後60年以上、
ずっと経済成長を最優先してきた日本は、根本的な政策転換が求められています。

【巻頭言】 環境戦略十訓  (2008年9月)

★広告戦略十訓

1. もっと使わせろ
2. 捨てさせろ
3. 無駄使いさせろ
4. 季節を忘れさせろ
5. 贈り物をさせろ
6. 組み合わせで買わせろ
7. きっかけを投じろ
8. 流行遅れにさせろ
9. 気安く買わせろ
10.混乱をつくり出せ

これは、70年代に大手広告企業が提唱していたものです。
これが、大量消費、大量廃棄、使い捨ての社会をリードしてきたんだなあ・・・
と感慨深いものがあります。(ネットで検索すれば、誰でも簡単に見つけられます)

私が大学を卒業して、社会人になった(松下電器に入社)のが1970年。
まさに、その頃から、カラーテレビ、クーラー、電子レンジ、ビデオ、ラジカセなどが次々と
ブームになり、マイカーブーム、マイホームブーム、ゴルフブーム、土地ブームが始まりました。
当時は、土地を買っても、株を買っても、なんでも値上がりしました。
なにしろ、銀行の定期貯金の利子も6%だったのですから。

広告は、恐るべきものです。
必要の無かったものを、必要なものに変え、
使えるものを、いらないものに変え、
無意味なものを、大事なものに変え、
大事なものを、無意味なものに変え、
まるで魔法です。

戦争を望んでいる人たちと、平和を望んでいる人たちと、どちらが努力しているのでしょうか。
戦争を望んでいる人たちは戦争を起こすために、大きなお金、大きな時間をかけ、
大きな努力をしています。平和を望んでいる人たちは、どんな努力をしているのでしょう。
それと同じように、環境を破壊している企業と、環境を守ろうとしている人たちとどちらが
努力をしているのでしょうか。

企業は、広告に巨額のお金をかけ、新製品開発に巨額のお金をかけ、
販売に大きな努力をしています。
人の欲望を刺激し、新しいものを欲しくさせて、いまあるものを要らなくさせて、
他の人と比較して、負けたくないと思わせて、もっと新しいもの、もっと高いもの、
もっと、もっと・・・と際限ない欲望を煽り、まさにモア・アンド・モア教です。

こういった異常な感覚は、50年前には無かったのではないでしょうか。
映画「三丁目の夕日」でも、私の子供のころでも、
子供心に、「いいなあ、おいしそうだなあ、かっこいいなあ、ほしいなあ」
という感覚はありましたが、「うちは無理だろうなあ」とあきらめていました。
考えてみると、カブトムシが欲しい、クワガタが欲しい、大きな魚を釣りたいなど、
努力すれば手が届きそうなものには、大いに努力し、そして手に入れたものでした。

「広告戦略十訓」を逆にすると、痛快です。
環境を守ろうとする私たちは、この「環境戦略十訓」を広めましょう。

★環境戦略十訓

1. 大切に使う
2. 捨てない
3. 無駄使いしない
4. 季節を忘れない
5. 贈り物をしない
6. 単品、ばら売りで買う
7. だまされない
8. 流行を追わない
9. 気安く買わない
10.混乱に巻き込まれない

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