地球村通信2009年10月号 巻頭言

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【巻頭言】  「ついに政権交代」 (2009年10月)

ついに政権交代が実現しました。
①あなたは、嬉しい?        嬉しくない?
②変化を期待している?       期待していない?
③いい変化が起こる?      よくない変化が起こる?
④社会は全体として良くなる?   悪くなる?

せっかく60年以上の長期政権が交代したのですから、世の中が良くなるよう、みんなで力を合わせましょう。
過度な期待、過度な要求をして、それが実現しないからと言って、「期待を裏切られた!自民党の方がいい!」と批判しても、世の中はよくならないのです。

もし来年の参議院選挙で、民主党が敗れると、「衆議院で可決しても参議院で否決」「何も決まらない」という「ねじれ国会」が再現します。
新政権は、少なくとも一期(4年)か二期(8年)やらないと公約は実現できません。
だから来年の参議院選挙でも、民主党を中心とした与党が過半数をとることが必要です。


★温暖化防止、二酸化炭素削減

これは新政権がマニフェストに掲げた公約の一つ。
新政権は「2020年に、1990年比25%削減する」と発表しました。
国連IPCCも、各国の担当者も驚くとともに称賛しました。
そして、国内の産業界は一斉に反発、反対を表明しました。
今後大きな議論となるでしょうから、よくご理解ください。

今年のG8サミット(先進国首脳会議)で、オバマ大統領は、「先進国は2050年までに80%以上削減しなければならない。
世界全体で50%削減しなければならない」と宣言をしました。
これは、ブッシュ大統領が一貫して「協力しない」という姿勢であったことから、大転換です。
ドイツ、イギリスなどは、中期計画として「2020年までに1990年比30~40%削減が必要」と発表しているのに対して、麻生政権は、「2020年までに2005年比15%」と発表して、ヒンシュクを買いました。
なぜなら、日本は、2005年は1990年比で7%増でしたから、2005年比15%削減というのは、1990年比8%削減にしかなりません。
これは、京都議定書で日本が約束した「2012年までに6%削減」に2%上積みしただけだからです。

新政権の発表「2020年には、1990年比25%削減」は、京都議定書の約束「2012年までに、1990年比6%削減」より19%の上積みです。


これは画期的な数字ですが、これまでの政府や産業界の考え方では実現不可能です。
ということは、今回の目標がおかしいのか、これまでの考え方がおかしいのか、どっちでしょう。
まず、次のことをよく理解してください。


★経済発展を続けながら、二酸化炭素を削減できるか

世界人口の2割が一等船客、3割が二等船客、5割が三等船客。
一等船客は、二等船客の数倍、三等船客の数十倍の経済を有し、それに比例して大量のエネルギーと資源を消費しています。
そのもっとも豊かな私たちが、さらに経済拡大を続けることが可能だと思いますか。
自動車の燃費を改善しても、電気の発電効率を改善しても、インド、中国など圧倒的多数の人々が、自動車や電気を、私たちと同じように大量に使い始めたら、エネルギー消費は、二酸化炭素の排出量は、どうなるでしょう。
誰でもわかることですが、「これ以上の経済成長は不可能」です。

だから、「経済成長」という前提を捨て、「経済を下げる」ことを理解し、実行しなければならないのです。「イヤだ」と言っても仕方ないのです。
「人間はいつまでも生きていられない、いつか必ず死ぬ」。このあたりまえの事と同じように、これ以上の経済拡大はできないことを、認めるしかありません。
過去、すべての巨大文明は、自然を破壊して滅亡した事を認めるしかないのです。


★八ッ場(やんば)ダム建設中止問題

これも、新政権がマニフェストに掲げた公約の一つ。
群馬県の八ッ場ダムは、他のダムと同様、必要性が検証されないまま、地元の反対を押し切って推進してきました。国民から見ると「中止は当然」ですが、地元は「今さら中止するのは反対」という状況です。国も、「中止するなら地元分担金を返還しなければならない」などの難題があります。

他の先進国では20年も前に「ダムはムダ」「ダム建設は中止」が決まりましたが、日本は「土建政治」「官僚政治」のため、「必要か、不必要か」という議論抜きに、利権のための推進が続きました。新政権は、すべてのダム計画、すべての道路建設、すべての巨大公共事業を凍結すべきです。
それで、年間40兆円の赤字が停止できるのです。
子どもたちの未来に、「地元の利権より、豊かな自然」を残してもらいたいのです。

今後、巨大公共事業の見直し、農業政策の見直し、米軍基地の見直しなどが始まりますが、これについて、利権を失う人たちから大きな反発や抵抗があります。
60年間、作り上げられた利権体制を改める際には、必ず反対が出ます。
それによって誰が利権を得ていたかがわかります。
マスコミは反対を書きたてるかも知れませんが、そんなことに煽られないで、社会が変わることを願い、「世直し」を実現させようではありませんか。

【巻頭言】  「カンボジア視察報告  闇の子供たち 」(2009年10月)

「カンボジア視察報告 -闇の子供たち-」

           ネットワーク『地球村』代表 高木善之

映画「闇の子供たち」を観て、「この子たちの支援活動をしよう」と決意しました。
このたび、現地カンボジアで活動する日本のNGO(C-Rights)の代表とスカイプ(ネット電話)で話をしているうちに、いてもたってもいられず、急きょ、飛び立ちました。

1.NGOの活動

★Friends International
(ストリートチルドレンを保護し自立を支援する団体)

・観光で訪れたフランス人の一青年が、ストリートチルドレン(SC)の現状を知り、活動を始め、発展しました。

・SCを見かけたら連絡を取り合い、保護、教育、職業訓練、就職の世話などをします。

・SCを買春する客を見かけたら、タクシーは乗車拒否、ホテルは利用を拒否、警察に通報する協力ネットワークを作り、市民の協力や支援も広がっています。

今回、Friendsの本部、教育施設、職業訓練センター、直営レストランを訪問しました。


★AFESIP International
(性的虐待を受けている女性を救出し自立を支援する団体)

・幼い時に買春宿に売られた女性(ソマリー・マムさん)が、その境遇から脱出、救済活動を始め発展しました。買春宿から女性を救出、保護、自立支援などをしています。

今回、医療センター、スラムのセックスワーカーを訪問、取材しました。


★HCC
(児童の売買、家庭内暴力からの救出や保護、被害の防止活動をする団体)

・地域の人たちの啓蒙、啓発の活動(CBPN)、学校の生徒たちの啓蒙、啓発の活動(SBPN)、被害に遭っている子供の保護、教育、自立支援など。

今回、CBPNのリーダとSBPNの生徒リーダと面談。シェルターを訪問、面談しました。


2.セックス産業の現場

★マッサージ店(入口調査)
ロビーに入ると、多数の女性が指名を待っていました。
年齢は15~25歳くらい。10~30ドル。カンボジア人、ベトナム人女性が中心。
交渉すると、さまざまな女性(男性も)が手配できるといいます。
長居をすると、調査と感づかれるので、身の危険を感じ脱出しました。

★カラオケ店(ルームに入りました)
ロビーの中に入ると、多数の女性が指名を待っていました。
カラオケルームに入ると、サービスをする女性2名が入ってきました。
通常は、少し歌ったり飲んだりしたあと、ペアで別室(個室)に移るのだそうです。
状況がだいたいわかったので脱出しました。

★セックスワーカー(町で売春している女性の訪問、取材)
スラムのセックスワーカーを支援するNGO(AFESIP)の協力で、スラムを訪問しました。セックスワーカー(20名)が集まり、取材に応じてくれました。
20~40歳。マッサージ店などの女性と違って、生活の苦労が大きい様子。
貧しい村から出稼ぎに来た人が多い。

・「マッサージ店の女性は、若くてきれいでほとんどベトナム人」
・「私たちは自分で、公園やストリートで客を取ります」
・「売春は1人2ドル、外国人はもう少し高いけれど嫌い。危険で、ひどいことをする」
・「雨の日は客が取れない。この3日、稼げなくて困っている」
・「一日平均2、3ドルの収入、家賃が20ドルだから、いつもギリギリ・・・。」
・妊娠中の女性が2人。「誰の子かわからないけれど産む」
・「中絶は2、3カ月まで10~20ドル。それ以降は60ドル以上。産むしかない」
・「収入がない時、仲間で助け合う。助けがない時、寝て、食べずに我慢する」
・カンボジアには、生活保護や最低保証はない。
・村では、貧しくて生きられない。「出稼ぎするしかないが、字が読めない、手に職がない、自分には何もないから売春しかない」

明日もわからない上、売春は40歳が限度、この女性たちはあとはどうなるのだろう・・・。

取材のあと、そのNGOの活動の一環として、生活用品(石鹸、コンドームなど)を配布。
スラムは本当に貧しい暮らしですが、NGOへの信頼からか、女性たちは、みんな明るく話してくれました。


★児童買春で有名な地域「スワイパー」
閉めた店がたくさんあり、町の人に聞くと、「取締りが厳しく、彼らは出て行った」とのこと。よりわかりにくい形で、都会の裏通りに紛れ込んだのだろう。

根本問題は、カンボジアの貧困だけではなく、先進国側の姿勢です。
日本は、児童ポルノ、児童買春、セックスツアーが先進国の中でもっともひどいし、法規制がもっとも甘い。カンボジアの救済支援も大切ですが、日本側のそうした問題の解決が重要です。先進国の豊かさとモラルの低下が、最大の問題なのです。


3.支援活動をスタートします。

【1】現地のNGOを通しての現地支援

・HCCの活動(SBPN、CBPN、クレジット、牛の提供、農業支援など)には希望があります。『地球村』として、HCCの活動支援、資金支援をしていきます。

・Friends、AFESIPなど、効果的な活動をしている現地のNGOの支援を検討。

【2】カンボジア以外にもタイ、ベトナム、さらにインドなどの支援活動も検討。


ぜひ、ご協力をお願いします。

<募金先 (通信欄に「カンボジア 人道支援」とお書きください)>
郵便振替  口座番号:00920-7-105330
加入者名:『地球村』緊急募金

※支援金額、用途などは随時ホームページ上でお知らせします。
http://www.chikyumura.org/fund-raise/
http://www.chikyumura.org/fund-raise/international/2009/09/10-174555.html

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